帰るために


何の取柄もない　何処にでもある
こんな街だけれど　何故かとても
好きなんだ　僕が生まれて　そして　今日まで
育った街だから　きっと　そう思うんだろう

　　だけど今はこの街から　少し離れてみたい
　　遠くから この街を 眺めてみたい

この街が 好きだから
この街に 帰るために


君は僕には　素敵すぎる人で
我侭な僕をいつも　笑顔で見ている
まるできかん坊を　あやす目で
まるで母さんみたいな　目で　やさしい瞳で

　　だけど今は君から　少し離れてみたい
　　遠くから　君を見つめてみたい

君が　大切だから
君に　帰るために


子どもじゃないことを　認めて欲しいとか
そんなつもりじゃなくて　今まで生きてきた
歳月にした忘れものを 拾いに行きたいんです
今からでも遅くないのなら
今からでも間に合うのならば

　　だから今はこの街から　少し離れてみたい
　　遠くから遠くから　見直してみたい

「この街に」「君に」
「自分に」帰るために